1.親から子へ
「あなたは環境問題について自分の家族へ詳しく説明ができますか?」

こんなことをきかれると途端に困ってしまうのが環境問題の大きな問題だと思います。
実際よほどの専門の学者でもない限り詳しい実態や解決方法まで胸を張って断言できる人
はいないでしょう。いや、学者でも相当意見が違っているのでほぼ無理だと思います。
でも、多くの人は何らかの心当たりはあるはずです。ごみをいっぱいポイ捨てした、エアコンをキンキンに効かして使った、車の排気ガスが臭いとか・・・。いろいろありますね。
人が生活する都合上、必ずついてくる問題が環境問題です。便利になればなるほどその問題は大きくなっていきます。これから100年後、日本はごみに埋め尽くされるのではないか、平均気温は相当上がっているのではないか、青空なんて見えなくなるのではないかなど、明日は大丈夫でも、百年後を考えると急に不安になるのがこの問題です。

「これから100年後の環境のことを自分の子供と話をしたことがありますか?」
逆に今から100年前、100年後の今のような文明の発達を予想できたでしょうか?当時の人たちは環境どころではなく、戦争や貧困で食べることすら不安な時代を過ごし生きるために必死で生きてきた時代で多くの土地を開拓していきました。その先達に環境破壊を責めてもどうしようもないのです。
100年後私はもちろん亡くなっていますが、自分の子供達は生きているかもしれません。その時の地球の環境はどうなっているのかを考えなければならないほど文明は発達したのだと思います。親から子へ環境を繋ぐための方法をまず親の世代が学ばなければならないのでしょうか。文明の発達とともに現代の大人ほど環境問題には無知で無秩序で無頓着であるといえると思います。
私は環境問題解決への糸口は個々の意識の改革が必要であると考えています。まずは環境問題の原因を探りたい、知りたいという気持ちをもっていただけると幸いです。
2.景観への配慮

今からタイムスリップして江戸時代に酒田から鳥海山を眺めたら、ものすごくきれいだろうなあ・・・と思うときがあります。電柱も電車も車も走っていない。空気も相当澄んでいたことでしょう。鳥海山に関して言えば、象潟から見たまだ海から隆起していた頃の九十九島を見てみたいという思いがあります。
現在は、道路や鉄道が走り、飛行場ができて便利になりました。携帯電話の基地局も多く完成してやたらと携帯電話もつながります。ただ、景観と言う観点では残念に思えてなりません。ヨーロッパ諸国に比べると、自分の住んでいる街に対する美意識や景観に対する考え方は、日本人はけっこう疎いように思います。
美しい街並みを維持しようという発想こそ、ごみ問題や資源のあり方を本気で考えるいいきっかけになると思うのですが。美しいと思う場所は汚せないと思うはずですよね。
そしてその美しい街並みを維持しようと思いますよね。環境問題の根幹はここにあると私は思っています。
富士山は日本で一番高く美しい山ですが、実は海外の登山家などからはゴミが多くて有名な山でした。現在は地元の人々やボランティアの方々など様々な有志達がこれらのゴミを回収し、世界遺産登録を目標に「美しい富士山」の復権を志しています。
今残された自然を敬い、美しい街並みを作っていける文化にしていけたら、環境への考え方も少し変化してくるのではないでしょうか。私の住んでいる庄内はとても美しい地域であると胸を張って言える景観を目指すということは環境への取り組みにおいて非常に意味のあることだと思います。「ごみを拾う」という行動も大事ですが「ごみを出さない」という意識は更に大事であると思います。
3.森の生業

地球上に広がる数々の森林は最初からその形態を成していたわけではありません。
ではどのようにして森林は形成されていったのでしょうか。
例えば鳥海山が噴火したとします。噴火した際、溶岩や泥流が斜面を覆いつくし、一面は焼け野原になったとします。
まずそこへ小さな草花類が入りこみます。そしてつつじなどの背丈の低い木々が生育を始めます。後にハンノキやヤナギなどが入り込みシラカバの林へと移り変わり、ミズナラやコナラの林を形成していきます。
最終的にはブナの森林へと遷移します。そしてブナの森からは遷移せず、そのまま森の更新を続けます。これを極相林といいます。
極相林は何百・何千年という長い年月を経て形成されていくのですが、地域によりこの極相林の樹種は様々です。
北海道ではエゾマツやトドマツ、関東以南ではタブ・シイ・カシなどになるようです。
今までの説明のわりにまわりに杉の木が多いと思いませんか?
杉は人の手によって植林されたものです。
戦後の農林省の政策により広葉樹林を伐採し、杉を中心とした樹種転換を図りました。
高度成長期は建築用材として広く用いられ、高度成長の一端を担いました。
ところが、円高による外国材の輸入増加や建築工法の変化は国産材の低迷を招き、杉が植林された山々は手入れされないまま荒廃が進みました。
このことは現代へ様々な影響を及ぼしています。
例えば、土壌流出や花粉症の増大、林業の後継者不足による更なる被害の増大などです。
ブナは根が浅く、倒れやすい木です。
成長すると木が倒れて周囲に光を与えます。
そして光を受けた小さなブナの芽がすくすくと育ち始めます。
倒れた木もすぐに朽ち果て、森の養分と化します。
植林された杉にはこの更新がありません。
人の手により植林された森は、人の手によって更新を続けなければならないのです。
4.山形のブナ林
ブナといえば、東北の森を代表する樹種のひとつです。
ハイキングや紅葉狩りなどで山へ出掛けると良く目にする木のことです。
東北を代表すると書きましたが、北海道南部から本州南部まで広く自生しています。
特に東北での自生範囲が広いようです。
このブナの保有面積は全国では山形県が一番広く、世界遺産へ登録された白神山地がまたがる秋田・青森より広いという事に自然の豊かさをあらためて実感します。
ブナは漢字で書くと、「木」へんに「無」と書いて「橅」と読みます。昔ブナは腐りやすくて住宅材や家具などの材料には向かず、役に立たない木であったことがこの漢字の由来になったようです。
しかし現在では「森のダム」と称されるように優れた保水能力が見直されています。
ブナの保水能力の高さは、木そのものではなくブナの森全体として能力が備わっているようです。
前にも書きましたが、ブナ林は極相林として、森の形態を繰り返しています。
大きくなった木が実を落とし、若芽が育ち始めて大きな木が倒れて森の養分と化し、木が倒れた隙間から光を与えて若芽や他の植物達が成長していきます。
これら一連のサイクルが植物の成長を促し、大きな保水能力を作り出しているのです。
この保水能力は我々人間にも恵を与えてくれます。
水を与え、土壌の流出を防ぎ、山の恵である山菜やきのこなども豊富で昔の暮らしの中では貴重な食料を与えてくれました。
植物はCO2を吸収してくれる最も身近な存在であるにもかかわらず、利益優先で森林伐採が現在もなお繰り返されています。
また、温暖化の影響なのかブナの若芽が全く確認されない地域も出てきたようです。
「ブナの幹へ聴診器を当てると水の流れる音がする。」という話があったので私も実際に耳を当てて聞いてみましたが、なにか音はするけども水が流れる音かどうかは判りませんでした。
上の方で枝葉が騒ぐ音のようにも感じたのですが・・・。
皆さんもぜひ森に入って実行して意見を聞かせてください。
たまには誰もいない森で時間を過ごすことも、環境を考えるにはいい機会ではないかと思いますよ。
とても贅沢な時間が過ごせます。
くれぐれもクマにはご用心。
5.酒田のタブの木
酒田市の木が合併前まで「タブの木」であったことは御存知でしょうか(現在はケヤキ)。
タブは常緑照葉樹で主に暖かい地方に分布する木です。
酒田市ではどの辺にあるのでしょうか。わかりやすい場所でいえば酒田市役所にあります。
あとはどこに?
酒田市ではタブは飛島に多く自生していて日本海側ではほぼ北限の自生地となっています。
ではなぜ暖かい地方に自生する樹種であるタブが酒田のような寒い地域に自生しているのでしょうか。
答えは海流にあります。
日本海には対馬海流という暖かい海水が流れています。
この暖流が南方に自生していたタブの自生範囲を北へ伸ばしていったようです。
日本がまだ対馬の辺りが大陸と陸続きであったころは暖流が入ってこなかったので酒田の周辺にはタブはなく、ブナやナラが自生していたと予測されています。このタブの分布範囲を知ることで、地球は動いているということをあらためて実感させられます。
ところで、タブは常緑照葉樹でブナやナラは落葉広葉樹です。
落葉広葉樹の葉は薄く柔らかく光を通し、秋には紅葉して冬に葉を落とす性質があります。
落ちた葉は森の養分として土へ返ります。
タブなどの常緑照葉樹の葉は厚く光をほとんど通さず、紅葉もなく冬も葉を落としません。
南方の炎天下に晒されることが多い樹種なので葉から光をより多く取り入れて栄養を得ようとしている為だと思われます。
そのためタブの森の中は鬱蒼と暗く、少し薄気味悪い雰囲気に醸されています。
タブの森の中へ入って上を見上げると美しい枝境模様を見ることができます。
これは葉同士が互いに触れ合うことを嫌う性質を持っているためで、光をより吸収しようというこの木の作戦を見て取ることができます。
飛島まで渡るのは大変なので、山形県堺の三崎公園にタブの森があるので一度確認してみると面白いと思いますよ。
6.江戸時代のリサイクル
現代では物は消耗品としてどんどん廃棄されていきますが、江戸時代にはものを大切に最後まで使い尽くすと言う考え方がすばらしいリサイクル社会を産み出しました。
最も現代の石油資源などとは違い、植物(木材等)資源や金属資源が主流であったたため、リサイクルも比較的容易であったと思われます。
すばらしいのはこのシステムが、文化として強く根付いていたことです。
「あなたはフライパンが壊れたらどうしますか?鍋に穴が開いたらどうしますか?」
たぶん捨てると思います。
江戸時代はこれらの修理専門業者が町を巡回して直してくれたそうです。
それどころか割れた陶磁器をなおす職人や鏡を研ぐ職人など、ありとあらゆる職人が町を巡回していたようです。
木工品などの植物製品が最後に行き着く灰までも、灰買い人という人がいて肥料などに利用していたようです。
もちろん、現代でもペットボトルや空き缶の再利用などリサイクル可能なものはしているのですが、資源の多様化によりすべてのリサイクルは無理なようです。
使い捨てないこと。
購入時に本当に必要なものなのかあらためて検討することも環境に対する配慮なのだと思います。
7.温度はなぜ下がる
「エアコンは何で温度が下がるの?」
皆さんはなぜエアコンは温度を下げることができるかご存知でしょうか?
風邪を引いてお医者さんへ行ったとします。
熱が下がらなくて注射を打つことになりました。
注射器が目の前に迫ってきます。
ああ、いやだ。
いくつになっても注射はいやなものです。看護婦さんが、「はい、じゃあ消毒しますねー。」と言って腕まくりをされ腕を消毒のアルコールを塗られると・・・ひんやりしますよね。
じつはエアコンのしくみは、腕にアルコールで消毒する→ひんやりするとまったく同じ現象で涼しい風を作り出しています。
エアコンで考える場合はアルコール=フロンガス 腕=部屋と考えてください。
腕にアルコールが塗られてひんやりするのは、液体のアルコールが腕に塗られたあとに蒸発し始めるのですが、この蒸発の際、周囲から気化熱を奪うことで感じる現象です。
エアコンはフロンガスが室内機と室外機を循環する仕組みになっているのですが、室内機の方へは液体で入っていきます。
そして細い管を通って圧力が下げられ、蒸発を始めます。
この部分がエアコンのフィルターが付いているところのアルミフィンになっている所です。
この部分を部屋の空気が循環することにより気化熱が奪われて部屋の温度が下がっていきます。
そしてここを通過したフロンガスは室外機へ流れていき放熱されて圧縮機により圧縮されまた液体に変化します。
このサイクルの繰り返しです。これは冷蔵庫もまったく同じ仕組みになっています。
これらエアコンや冷蔵庫は環境に対しては二大諸悪の性質があります。
ひとつはフロンガスを利用したシステムであるということ、もうひとつはフロンガスを液化させるために圧縮機を搭載している為電力の消費量が大きいことです。
エアコンにフロンガスが利用されているのは、簡単に液化し蒸発する性質をもち、無味無臭であり人体への影響もないという魔法の気体だったという歴史がありました。
ただし、現在では南極上空のオゾン層のオゾンホール拡大の原因のひとつとされ、代替フロンというオゾン層破壊係数がゼロの機器へ移り変わっています。
但し、地球温暖化係数が高いため、機器の修理や新品への買い替えの際は、フロン・代替フロン共、回収及び破壊処理が義務付けられました。
夏の盛り、庭へ水を撒くと涼しく感じるのは撒かれた水が蒸発し、気化熱を奪うというこのエアコンのサイクルと同じです。見事な先人の知恵です。
エアコンの冷房設定温度を上げる、フィルターの掃除をこまめにする、室外機の周りに水を撒く、という行動でエアコンの消費電力は相当下がります。お試しあれ。
アンケート宿題
1. あなたは身の回りの自然環境について詳しく説明できますか。
2. あなたが思う環境問題とはどのような事柄ですか。
3. あなたは植物を育てていますか。
◎環境に関する私なりのコラムをまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。
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